ちぎるということ

加害者意識を一生保つのはとても難しく、火花が肌を焼くプラスマイナス10秒を待って尚脳から漏れ出ている。事前動作を見抜くためにいくつも用意された浮き島を全滅させながら帰り道のない会話を今日も。
罪悪感も適切な瞬間に取り出せなければただのゴミくずで、よくあるこの部屋によく似ている。
卑怯者は今日も音楽に自分を縫い付けては深い池に沈めて被罰意識を消化している。甘い匂いがする。
この世が酔って吐く息は甘ったる過ぎて、すぐに手術室に連行させられる。開いても閉じても腐っていく胸に鈴蘭を1輪だけ置いていく人影の塊。丸ごと飲み込むといいですよ、儚げで月夜が似合う、少しずつひずんでいく、あなたが望んだ形でしょう。
「うまくやれていたんです、信じてください、信じていたいんです」
花も根も千切っては千切ってティーバッグを用意して、どうか覚めない良い夢を。